2025年9月9日にアップデートされた「AutoCAD 2026」は、設計業務の効率化を支援する『AI機能』を利用できるようになりました。
新たに利用できるようになった「マクロアドバイザ」「スマートブロック」「マークアップ読み込みとマークアップアシスト」はAutodesk AIを活用した機能です。これらはAutoCAD Plus(including specialized toolsets)の特別な機能でしたが、アップデートによりAutoCAD 2026にも追加されました。これらのAI機能は、検出や繰り返し作業など時間と手間のかかる作業を代行し、作業時間の短縮とミス削減に役立つ便利な機能です。
設計現場でも注目を集め、広がりつつあるAIが、AutoCAD 2026の設計環境を大きく進化させます。
アップデートでAI機能がAutoCADでも利用可能に!
アップデート後のAutoCAD2026では、以下のAIを活用したコマンド他を利用できます。
(※AutoCAD2025以前のバージョンやAutoCAD LTは未対応のため利用できません。)
自分のインサイト:マクロアドバイザ
- 頻繁に行う操作手順をAIが分析して、操作を自動化できる最適なマクロを作成してくれます。
- 反復作業の多い業務をマクロで自動化することで設計作業の効率を向上できます。
- マクロの知識がなくても、マクロをによる自動化が行えます。
スマートブロック:配置候補を利用したブロック挿入
- AIが図面にあるブロックに基づいて、挿入するブロックの適切な位置や角度を自動的に提案してくれます。
- 手作業での位置合わせや角度調整を削減でき、ブロック挿入の作業効率を向上できます。
スマートブロック:検出と変換
- AIが図面内にある同一形状を自動検出してブロックに変換してくれます。
- 数多くある同一形状を統一したブロックとして一括変換できます。
- AIが検出と変換を代行することで、見落としが減り、効率的に作業を行えます。
※この機能は開発中のテクノロジープレビューで改善が継続されます。
スマートブロック:検索と変換/置換
- AIが図面内にある同一形状を検索して、類似するブロックの候補に変換してくれます。
- 類似するブロックは、既存のブロックライブラリや最近使用したブロックからAIが候補を提案します。
- ブロックの検索と置き換え作業を一括で行えるので修正時間を短縮できます。
マークアップ 読み込みとマークアップ アシスト
- PDFや画像で受け取った修正指示(朱書きや文字)をAIが認識して図面の該当箇所に注記を表示します。
- 図面への転記作業をAIが代行するので、効率的に図面の確認と改訂を進めることができます。
※この機能を使用するにはインターネット接続が必要です。
アクティビティインサイト
- バージョンアクティビティのみ表示可能でしたが、AutoCAD Plusと同じ機能を利用できるようになりました。
- 共有している図面ファイルに対して行われたバージョン履歴、ファイル比較、変更点に関する情報を確認できます。
- Autodesk AIを使った機能ではありませんが、今回のアップデートで機能が強化されました。
※再販不可品(NFR)、体験版、教育機関限定ライセンスではアクティビティインサイトは利用出来ません。
※共有図面が別の製品(AutoCAD Web など)で最後に保存された場合、[変更点]インサイトは表示されません。
AutoCAD Plusとの違い
2025年9月9日のアップデートにより、これまでAutoCAD Plusでのみ利用できた下記比較表の★印の機能が、AutoCAD2026でも利用可能になりました。
業種別ツールセット(建築/機械/プラント)、WEB版AutoCADでのPDFバッチ印刷、AutoCAD Web対応AutoLISP APIは、従来どおりAutoCAD Plusのみで利用できます。
| 機能 | AutoCAD (9/8以前) | AutoCAD (9/9以降) | AutoCAD Plus | |
|---|---|---|---|---|
| ★ | アクティビティインサイト | △ | ○ | ○ |
| ★ | 自分のインサイト:マクロアドバイザ | × | ○ | ○ |
| スマートブロック:検索と変換 | ○ | ○ | ○ | |
| ★ | スマートブロック:検索と変換/置換 | × | ○ | ○ |
| ★ | スマートブロック:検出と変換 | × | ○ | ○ |
| スマートブロック:配置候補を利用したブロック挿入 | ○ | ○ | ○ | |
| ★ | マークアップ読み込みとマークアップアシスト | × | ○ | ○ |
| オートデスクアシスタント | ○ | ○ | ○ | |
| Web版でのAutoCADでPDFにバッチ印刷 | × | × | ○ | |
| AutoCAD Web対応AutoLISP API | × | × | × | |
| 7つの業種別ツールセット | × | × | × |
AutoCADのAI機能を使うには?
ご紹介したAI機能を使うには、AutoCADまたはAutoCAD Plusのサブスクリプションをご購入ください。
既に対象のサブスクリプションをご契約中であれば、AutoCAD 2026バージョンをインストールすることでAI機能を使用できます。
残念ながら古いバージョンのAutoCADやAutoCAD LTではAI機能を使用できません。AIによる設計業務の効率化(繰返し作業自動化、ミス削減、時間短縮)に興味がございましたら、ぜひ最新のAutoCADをご検討ください。


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