2026年3月26日に新バージョン「AutoCAD2027」をオートデスクがリリースしました。
今回のバージョンアップでは、AIによる設計支援やクラウドを活用した共同作業環境などが強化され、設計業務の効率化と品質向上の両立に貢献できるCADソフトウェアに進化しました。

特に、さらなる進化を遂げたAI機能「Autodesk Assistant」の強化や、クラウド連携の親和性を高める「Forma Data Management」は注目される新機能です。

AutoCAD2027の新機能が、設計作業の効率化と図面品質の向上、そしてチームの生産性をどのように後押ししてくれるのか、それぞれの機能をご紹介します。

Autodesk Assistant[機能強化]

新しい「Autodesk Assistant」では、AIを活用したチャットシステムが導入され、普段使っている自然な日本語による柔軟な指示が可能になりました。設計者が意図を文章で伝えることで、AIが図面の内容を理解したうえで適切な処理を実行してくれます。
特に注目すべき機能が、図面が社内の標準仕様に適合しているかを自動で検証するチェック機能です。これにより、これまで目視に頼っていた検図作業の手間を大幅に削減できるだけでなく、見落としの防止にもつながります。
また、複雑なコマンド入力を行わなくても、「〇〇の画層にあるオブジェクトをすべて選択」といった指示を自然な言葉で伝えるだけで対象を正確に抽出できるほか、画層一覧やブロックの使用状況など、図面内の情報を対話形式で確認することも可能です。
さらに、よく使う指示をプロンプトとして保存・共有できる機能や、過去のやり取りを活用する仕組みも備わっており、使い込むほどに日常業務の効率化を促進します。

ジオメトリクリーンアップ[新機能]

図面データの品質管理に役立つのが「ジオメトリのクリーンアップ」機能です。
この機能は、図面内に潜む微小な隙間(ギャップ)や線の重複、わずかな角度のズレといった肉眼では気づきにくい図面の不整合をAIが自動で検出してくれます。これまでは目視や手作業で行っていた、地道で時間の生じるクリーンアップ作業を大幅に効率化してくれます。
検出された問題箇所は専用のパレットに一覧で表示され、リストを選択することで該当箇所へ自動でズームインして確認できます。複雑で込入った図面でも見落としを防ぎ、確実に修正することが可能です。
図面データのチェックや納品する前の最終チェックにおいて、品質向上と作業時間短縮を支援してくれる機能です。

チェックアウト[新機能]

クラウドを活用した「Forma Data Management(FDM)」の強化に伴い、実務のワークフローを大きく変える「チェックアウト」機能が導入されました。
この機能により、FDM上で共有するDWG図面から特定のオブジェクトだけを抽出して、編集や変更提案を行うことができます。他の設計者が編集中であっても待つ必要はなく、安全なトレース環境で並行作業を進めることができ、変更案を権限ユーザーへ送信して確認・反映してもらうスマートな連携が可能となります。
同一の図面に対してチームで安全に同時編集が行えるため、不意の上書きリスクを徹底的に抑えながら、作図のリードタイムを劇的に短縮できます。

※この機能は、AutoCAD Plusのみで使用できます。

接続された参照[新機能]

図面の移動やフォルダ名の変更によって発生する「外部参照(XREF)のリンク切れ」を、効率的に解消できるのが「接続された参照」機能です。
これまでは図面を開いた際にすべての参照を手動で確認する必要がありましたが、新しい外部参照パレットでは「見つからない参照」だけをピンポイントで抽出・一覧表示できるようになりました。
さらに、見つからなくなったファイルはシステムが自動的に検索を行い、検出された場合には「推奨パス」を画面に提示してくれます。設計者は提示されたパスを確認するだけで、再指定や不要な参照の解除といった復旧操作をスムーズに行えます。
他社から届いたデータのリンク切れ対応や、大規模なプロジェクトで多数の外部参照を管理する際の手間を大幅に削減してくれる機能です。

接続されたサポートファイル:
ツールパレット[新機能]

クラウド環境「Forma Data Management(FDM)」との連携強化により、CAD管理者がツールパレットやサポートファイルをクラウド上で一元管理できるようになりました。
これまでは各PCでの設定や配布の手間がかかっていましたが、新しい環境ではプロジェクトに応じたツールパレットや画面構成、操作設定が各ユーザーのAutoCADへ自動的に読み込まれます。これにより、設計に必要なブロックや作図ツールをチーム全員へ確実に共有でき、メンバー間の「CAD標準(作図ルール)の統一」が自然と実現します。
管理者の配布・メンテナンスの手間を減らすだけでなく、オペレーターも「必要なツールが最初から揃っている」状態でスムーズに作業を始められるチームの生産性を支える機能です。

接続されたサポートファイル:
部分カスタマイズ(CUIx)ファイル [新機能]

ユーザーインターフェース(UI)のカスタマイズ設定を格納する「部分カスタマイズ(CUIx)ファイル」をForma Data Management(FDM)を介してクラウド上で一元管理できるようになりました。
これにより、社内やプロジェクト固有のオリジナルコマンド、カスタムリボン、メニューなどの設定が自動で各メンバーに同期できます。これまでは、PCの入れ替え時や拠点が異なるメンバー間でのカスタマイズファイルの配布・上書き作業に手間がかかっていましたが、これからはクラウド上で一括して最新版の管理が可能です。
個々の作業環境に依存することなく、チーム全体で全く同じ使いやすい作業空間を維持できるため、作図環境の標準化とメンテナンスの効率化がさらに加速します。

その他の機能強化

  • レイアウトスイッチングを最適化したことでパフォーマンスが向上し、前バージョン(AutoCAD2026)と比べてレイアウトタブの切り替えが4倍速くなりました。
  • 3Dワークフローのパフォーマンスと安定性が向上し、滑らかなナビゲーションに加え、表示範囲の拡張やリアルなマテリアル・照明表現に対応した快適な3D表示を実現しています。
  • シートセットマネージャの強化によりテンプレートや関連ワークフローの信頼性が向上したため、シートの整理や管理がしやすくなり、日常的な作図業務をより効率的に進められます。
  • Web版 AutoCADでは図面内で指摘事項の作成や確認、解決が可能になったほか、印刷機能の強化によりクラウド保存やPDFプレビューも簡単に行えるようになりました。

(補足)保存データ形式について

保存データ形式(DWG)は「2018形式」のままで変更されていません。過去バージョンとのやり取りもスムーズに行えます。

AutoCAD2027の新機能を使うには?

ご紹介した新機能を使うには、AutoCADまたはAutoCAD Plusのサブスクリプションをご購入ください。
既に対象のサブスクリプションをご契約中であれば、AutoCAD 2027バージョンをインストールすることで新機能を使用できます。
残念ながら古いバージョンのAutoCADやAutoCAD LTでは新機能を使用できません。AIによる設計業務の効率化(繰返し作業自動化、ミス削減、時間短縮)に興味がございましたら、ぜひ最新のAutoCADをご検討ください。

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